出会いの“キセキ”
「お邪魔しまぁーすっっ」

「今日も誰もいないからね(笑)」

そう言って、
カズキさんの部屋に入った。

「じゃあ見よっか」

「はい♪」

2人でベッドに寝そべりながら
アルバムをひらいた。

最初は私のから。

私のアルバムは…
ほとんどが泣いてる写真(笑)

「ミアビなんでこんなに泣いてんの~」

「お兄ちゃんとかお姉ちゃんから
 おもちゃ取られたりして…(笑)」

「けどあんま変わってないよなぁ~!
めっちゃかわいい♪」

「可愛くないですよ///」

「可愛いし~!!
てか笑った顔とか
今のまんまだよな♪(笑)」

「ミアビどんだけ成長してないんですかぁ~」


それから、カズキさんのアルバムを見た。

「かわいい~っっ♪」

「きもぃし~」

そこに写っていたのは
茶髪で目を細めて笑う男の子。

面影が少しだけあった。

そして、クマのぬいぐるみを食べようと
している写真もあった。

それから見たのは
カズキさんが泣いている写真。

「カズキさんかわいい~!!」

「ふざけんなっ(笑)」

そしてページをめくると

「………ん?」

一枚の男の人の写真があった。
けどそれは、無惨にもカッターで何重にも
傷付けられていた。

「これはちょっと」

そう言い、カズキさんは次のページをめくった。

「カズキさん……?」
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