出会いの“キセキ”

私は、おびえながらも
カズキさんの言ったクローゼットに隠れた。
そしてそこから
部屋の様子を見ていた。


“バンッッ…”

誰かが
ドアを強く蹴り開けた。

そして…男の人が入ってきた…

「にいさ……」

「ウっせんだよ!!!!!」

“バリーンッッ…”

男の人は近くにあったガラスを
カズキさんに向かって投げつけた。

「あああああ~~~!!!!
イラつくんだよ!!!!」

近くにある物をカズキさんに投げまくる。

その度に鳴り響く
何かがわれる音や壊れる音…。

こわかった。
私の記憶が…
みるみるうちによみがえってきた…

体も震えだす



その間も男の人は続けた。

「カズキ!!!!!なんだよその目?
文句でもあんなが!?」

「………」

「その態度がムカつくんだよ!!!!!!
ざけんなよ!!!!」

そう言うとカズキさんに近づいて行き
顔面を殴った。

人が殴られる音……
思い出しちゃったよ……

また…
私の大切な人が…
私の前で傷ついてる…。



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