出会いの“キセキ”

「…っって……
俺の部屋から出て行けよ」

「はぁ?俺に向かってなにその言葉?」

そしてカズキさんのお腹を殴った。

「うっっ…」

カズキさんは口から血を出して
しゃがみこんだ。

「バチ当たったんだよ
俺にそんなこと言うから」

そう言ってカズキさんの髪を掴み
顔を上げさせると
足でその顔を蹴った。


いやだ……
カズキさん…
いやだよ…

必死にこらえていた涙が
次々にあふれだした。


部屋には、カズキさんの顔を蹴る音だけが
響き続けた。

男の人は蹴るのをやめると
カズキさんを思いっきり
突き飛ばした。

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