出会いの“キセキ”

血だらけのカズキさんは
荒い呼吸をし、
男の人をにらみあげた。

「まだこりてねーわけ?」

カズキさん!!
これ以上やられたら
大変だよ!!!

しかし…
カズキさんは男の人に
顔面を思いっきり蹴られた。

「いやぁぁぁ!!!!!!」

ついに叫んでしまった私。
泣き崩れて
震えが止まらなかった。

「ん?女?」

そう言うと男はクローゼットに向かってきた。

「やめ…ろ!!……」

カズキさんは男の足を掴んだ。
しかしすぐに蹴りはらわれてしまった。

男は私をのぞきこんだ。

「おーい。顔見せてっっ」

上を向くことなんてできない。
震えで言葉も出ない…

「おいっ。」

そう言うと私の肩を掴み
私を立たせた。

「可愛じゃん~なんで泣いてんの?」

「兄さん!!!ミアビにさわんな!!!!」

すぐにカズキさんが叫んだ。
しかし、そんな言葉は全く無視だった。

「アイツ弱っちぃべ?
ざこいよなぁ~??」

そう言って私の手を掴んだ。

「やっ…!!嫌!!!!」

必死に振りほどこうにも
相手の力が強すぎた。
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