出会いの“キセキ”
何度も顔を蹴られたせいで、
口の中は切れて
頬からは血が流れていた。
私は泣き震えながらも
必死に手当てをした。
「ミアビ…ありがとう…」
私は何も言わず、
泣きながらカズキさんに抱きついた。
「カズキさん…」
カズキさんも黙って私を抱きしめた。
「俺…ミアビの事守るって決めたのに…
ミアビの心の傷おっきくしちゃったな…
彼氏失格だな……」
「ミアビはどうなってもいい…
ただ…好きな人が傷つくのを
見ているのが嫌…」
すると
カズキさんは私に優しくキスをした。
少し…血の味がした。
「俺…このまんまじゃミアビを
守ることはできない…
兄さんの仲間だっていっぱいいて…
これからミアビに被害がたくさんいくかもしれない
そうならないためにも…」
そして私を離した。
「ミアビ…別れよう」
「いやっ…いやぁ!!!!」
そう泣き叫んだ。
けど、カズキさんは慰めてはくれなかった。
「ミアビ傷ついてもいいっ
カズキさんといれるなら!!」
カズキさんは黙って首を横にふった。
「ミアビの幸せは、カズキさんといれる
ことだけなんですよ!?」
それでもカズキさんは首を横にしか
ふらなかった。