出会いの“キセキ”

「ミアビ?」

しばらくして、打矢が私の所に来た。
多分、マイが言ったんだろう。

「具合悪い?」

「何かあった?」

私は、打矢の言葉までも無視した。

今はとにかくじっとしてたい。

というか、このまま帰りたかった。

「話せるようになったら、
ちゃんと話して」

そう言い残し、打矢もどこかへ行った。


私は重い体を起こして、
スクバからケータイだけ取り
トイレへ向かった。


個室に入り、ケータイを開いた。

“受信メール 12件”


そういえば私は、
昨日帰ってからケータイを開いていなかった。

1つ1つ、メールを開いていく。
それは、全部、カズキさんからだった。

16:00『ミアビ。ごめん』

16:20『ほんとごめん。
けど、これ以上、ミアビを
     傷付けられないから…』

18:50『ちゃんと帰った…?』

21:38『お願い返事ちょうだい…』

22:00『ミアビ…』

23:56『返事お願いします…』

1:09『寝ないで返事待ってるから…
    メールお願い』

2:45『無理…?』

3:48『返事待ってます』

5:00『悪いのは俺だもん…
    返事来なくて当然か…
    本当ごめん』

6:29『学校はちゃんと来て…』

7:10『今日、会ったら話そう』


……カズキさん…

別れるんなら…
メールなんかしないで…?
期待させないで…?

けど、カズキさんは眠らずに私からの
メールを待っていたと知って、
私の胸は余計痛んだ。
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