出会いの“キセキ”

昼休みが終わる5分前の予鈴のチャイムが鳴った。

けど…
今戻ったら、5時間目には
3Eに行かなきゃいけなくなる。

だから私は、個室から出て、蛇口の前で
じっとしていた。

~♪~~~♪~~~~
ケータイが震え、メールが受信された。
見ると…カズキさんから…。

『お願い。5時間目ちゃんと来て?』

すると、突然、トイレのドアが乱暴に開いた。


バンッッ


少し体が震えた。
…そして、そこにいたのは
ソウマだった。

「ミアビ発見~ほらっ行くぞっ」
そう言って私を引っ張った。

けど私は抵抗して行かなかった。
ていうか…

「ソウマ…ここ女子トイレ…」

するとソウマは優しく微笑んだ。

「ミアビ!やっと喋った♪
何があったのか…
俺なんかは分からないけど…
好きな奴の、こんな姿見てらんねぇし」

「………」

「だいたいミアビ心配かけすぎ!!
土曜日はあんなに騒いでたのに。
マイなんか泣いてたぞ?」

マイが…?
私なんかのために……

こらえていた涙が一気に溢れ出してきた。

「安心しろっ?
行くのは6時間目に変わったから
みんな心配してるよ…」

「ソっ……ソウマぁ……っひっく…
ミアビねっ……っ」

「うん…」

私はゆっくり昨日の出来事を話した。







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