出会いの“キセキ”
話し始めると、涙は止まらなかった。
「ミアビも…カズキさんも……
誰も悪くないし…
それに、ミアビがそんな顔してたら
傷付く人、もっと増えちゃうんじゃない?」
「…ごめんね…っ」
「いいよ。
俺の意思で来たんだし」
5時間目はとっくに始まってるのに
ソウマは私と居てくれた。
「カズキさんとは…今どうなの」
「昨日から今日の7時まで12件も
メール来てた…
けど…返せないよ……」
私はメールをソウマに見せた。
「負けたわ…俺…」
「え…?」
「ここまでミアビを想ってくれる人
すごいよ。
俺、気持ちは勝ってたつもりだけど
やっぱり負けてる」
私は少し笑った。
「とりあえず、会ったらちゃんと喋るんだよ」
「うん…」
「じゃ、教室戻ろう?」
「うん…」
私はソウマと一緒に教室に戻った。