出会いの“キセキ”
「ねぇ聞いてんの?」
「…もうミアビ、楓さんとは無関係ですから
どっか行ってくれませんか」
「はぁ…!?ふざけんなよ
…まぁいいや。
カズキにミアビの事いじめてOKって言われたし」
「それはカズキさんがミアビを
守ってくれるから良いですよ」
「…?!」
「恥ずかしくないんですか?
1年生1人相手に
3年生大勢でかかってきて」
「うるさい…よ……」
「もう、カズキさんはミアビの彼氏なんです
楓さんのものじゃないんですよ?」
「生意気すぎ!!!
どんだけ調子こげばすむの!?」
「…さぁ?……」
「あんたまじで…」
「何やってんの」
楓さんが言いかけたところで
カズキさんが戻ってきた。
「ミアビに近づくなって
言ったよな?」
「だって…あたしカズキの事
好きなんだもん…」
「好きなのはかまわないよ
けど、俺の好きな人を傷付けるやつは
死んでも相手にしたくねーから」
「お願い…
うちとヨリ戻して…?」
「絶対無理。
これ以上ミアビに変な事したら
まじ許さねーから」
「カズキ……」
「ミアビ行こう」
「うん…」
そう言って私とカズキさんは手を繋いで
3Aへ向かった。
「ミアビ大丈夫だった?」
「はい♪」
「なんで喜んでんの~(笑)」
「カズキさんかっこよくて♪♪」
「ミアビのためだから~(笑)」
『~~♪~~~♪』
ケータイの着信音が鳴った。
「はい。」
『ミ…ミアビ……ひっく』
それはお姉ちゃんからだった。
「お姉ちゃん!?どうしたの?」
『どうしよう…ひっく…アタシ……』
「ゆっくりでいいよ!?」
『アタシね……アタシ……
“子供できちゃった……”』