出会いの“キセキ”
「俺は絶対アンズの父さんみたいな
ことは、しないから」
「信じてるからね…?」
この時ばかりは
私もマサトさんを信じれないような気がした。
“夫婦”の本当の意味を
私たち姉妹は知らないから。
それから病院へ着いた。
『産婦人科』
の看板を前に、4人の足がすくむのが分かった。
「じゃあ俺らは外で待ってるから」
「うん…」
「ミアビ!サポートしてやれよ!」
「はい…」
2人で病院へ入ると
周りの視線が痛かった。
けど、私が怖がっていたら
お姉ちゃんはもっと不安になる。
だから私はお姉ちゃんの保険証を出すと
イスに座った。
「ミアビ…アタシ…こわいよぉ…」
「大丈夫だって!!ミアビもいるんだし~」
「あの子たち…中学生じゃない??」
「やぁね~最近の子って
本当汚らしい」
周りからそんな声がひそひそ聞こえてきた
私はそれにたえれるほど…
大人じゃない
「何が汚いの?
あなたの口先の方がよっぽど汚いですけど…」
「ミアビ!!いいよ…!!」
「てゆうか、こっち見ないでくれます??
お腹の中の赤ちゃん、けがれちゃうから」
私の言葉に
周りが静かになった。
「木内杏さ~ん
診察室までどうぞ」
ちょうど呼ばれ
私はお姉ちゃんの腕を引っ張って
診察室へ入って行った。
診察の結果、妊娠3週目に入ってることが分かった