出会いの“キセキ”
4人で家に帰ると
お姉ちゃんは泣き出した。

「やっぱり…
不安なことはっ……
不安だよっっ…」

「アンズ…」

「お姉ちゃん…」

私とカズキさんは
お姉ちゃんを見つめることしかできなかった。


「アンズっっ
泣くなって!!
もうママだろ??」

「うん……っ
でも…怖いよぉ…」

15歳での出産。

死産の可能性もあれば、
お姉ちゃんが死ぬ可能性だってある。

第一に、
18歳にも満たない2人が
子供をしっかり育てていけるか。

不安じゃないはずがない。


けど、そんなお姉ちゃんに対してだから
マサトさんは強くいたのだろう。

マサトさんまで怖がってたら
お姉ちゃんはますます不安になるだろうから…


その日、カズキさんとマサトさんは
泊まっていくと言った。

親に電話を済ませると
お兄ちゃんから着替えなんかを借りていた。

「なぁ……アンズお前なにしたの?」

「えっと……」

お兄ちゃんからの問いかけにとまどうお姉ちゃん。

それを助けるようにして
マサトさんが全てを説明した。

「はぁ……
そうゆうことだったんだー」

案外普通にしてるお兄ちゃん。

「ソラさん…ひかないんですか?」

「いや~俺らの年でも前いたもん
中学生で妊娠したやつ」

「その…妊娠した人は?」

「もちろん、
中絶なんかしないで生んだよ」

「そうなんだ…」

「けど、問題はその後。
アンズとマサトみたいに結婚を約束した
けど、そんな約束1年も経たないうちに
破られちゃったんだよ」

「え……」

「だからお前らは…」

お兄ちゃんが言いかけた時
マサトさんは口を開いた。

「俺…
その人みたいな事はしないです
アンズを絶対守りますから!!!」

熱のこもったマサトさんの言葉に
私たちもひどく胸をうたれた。

お兄ちゃんも
それには納得したようだった。


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