出会いの“キセキ”
そしてお姉ちゃんとマサトさんは
リビングでお母さんの帰りを待った。
正式にお姉ちゃんの出産を
許可してもらうため。
そして、マサトさんが18になったらの
結婚を許可してもらうため…
私とカズキさんは部屋で
寄り添っていた。
私だって不安。
他人事じゃないから
そしてその不安をやわらげてくれるかのように
カズキさんはそっと私の頭をなでてくれていた。
「ミアビ……
怖い?」
「はい……」
「こうゆうのって
楽しい事だけじゃないんだな」
「………」
しばらくして、外から車のエンジン音が聞こえた。
お母さんが帰ってきたんだ。
玄関のドアが開いて閉まる音が
静かに響いた。
「お母さん……来ましたね……」
「うん……」
「ミアビたちも…
様子だけ見に行きませんか?」
「うん
見に行くだけな?」
私とカズキさんはリビングの
少し開いたドアの隙間から
やり取りを眺めていた。
「お願いします!!!」
「ママ!!お願い!!…」
マサトさんとお姉ちゃんの必死な交渉にも
お母さんは黙ったままだった。
「ママ…何とか言って……」
それからようやく口を開いた。
「出産に対して…反対はしないよ…?
だってそれに反対しちゃったら…
ママ、孫を殺した事になるじゃない」
そう微笑んだ。
「ママ…」
「お母さん……」
「けど。結婚に賛成はできない…」
「え…」
思わず私まで飛び出してしまいそうだった。
しかし、それを察したカズキさんは
即座に私の腕をつかんだ。