出会いの“キセキ”
カズキさんはそのまま
私を引っ張って部屋へ戻った。
「ちょっと!!痛い!!!
なんで?意味分かんない…」
「これはマサトとアンズ2人の
問題だろ」
「じゃあミアビは関係無い
って言うんですか?!」
「関係はある
だけどミアビは赤ちゃん
育てれるわけねーだろ!!」
「あっそ……」
「無責任なことすんなよ!!
それじゃミアビの父さんと
一緒じゃんかよ」
「違う…」
「違わない。まず、ミアビは
口はさむな!!」
ガンッ!!!!
カズキさんは壁を
拳で殴った
「……」
思い通りにならない現実と
カズキさんが怖くて
私の目から涙がこぼれた
「ごめん…言い過ぎた」
そう言って私の肩に
カズキさんの手が触れた
すると私は反射的に
力いっぱい、そのカズキさんの手を
はらってしまった
「!?…ミアビ…?」
カズキさんは驚いて
手を引っ込めた
「こわい……
カズキさんこわい…」
頭と心では、そんなこと
しようとしてないはずなのに
体が勝手に動いた
私は後ずさりしてドアの所で
立ち止まった。
「ミアビ」
カズキさんが走って来て
私を抱きしめた
「ごめんな…
ごめん…」
って頭を何度も撫でた
今までカズキさんの手が大好きだった
私の手と絡める手
私の頭を撫でる手
優しく抱いてくれる手
だけど今はその手が怖かった
頭を撫でられる度に
私の体がビクッと動く
するとドアが開いた
「ミアビ…」