東京血風録4 ダークサイド・イリュージョン
「近づき過ぎだ」
斜骸丸である。

その時すでに斜骸丸の右は、自らの頭上に伸ばされていた。

運の悪さを呪うべきか。
偶然の産物を祝うべきか。
それは双方に起こったのだ。

骨で出来た刀を振るうだけだった。

頭上に浮かぶアストラルワン。
腕が斜骸丸の顔を貫いている。が、裏を返せば固定されていた。

地面に転がった藤堂飛鳥。
全力を尽くして動くのもままならない。

全力の爆砕打を放ったマイク。
その態勢のまま、微動だにしない。

その3人が、一直線に並んでいた。
不運。


斜骸丸は腕を振った。
斜骸丸の剣は、骨と骨の間が開いていようともその形のまま振り抜かれる特異な剣である。
即ち、距離は関係ない。

直近のアストラルワンから順に、藤堂飛鳥、マイク・ゴールドスミスと斬られていくのだった。






























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