東京血風録4 ダークサイド・イリュージョン
遥の心がダークサイドに堕ちた。
伊號丸は今まで感じた事がない感情の奔流を浴びていた。
これが遥殿か…。
喜ぶ時も、落ち込む時も、嬉しい時も、悲しい時もずっと一緒だった。
もちろん、怒った時も一緒でその時ですらこんな感情は無かった。
青白き炎は今や燃え盛っていた。
色も青に変わり、紫に変わりどんどん黒が増えて、青黒くなっていた。
【遥殿!これではもう、自分で制御出来なくなりますぞ!】
伊號丸の言葉は届かない。
パキリ!
パキリ!
心の溶鉱炉が熱せられて、爆ぜる音がした。臨界点。
カシャッ!
遥の眼が変わった。
三白眼の眼は怒りの色である。
その眼が捉えた者。
摂津秋房である。
「うおぉおぉおぉおぉぅぁーっ!!」
遥は慟哭と共に走り出した。
空間支配。
怜一めがけて放たれた飛び蹴りである。
飛んだ瞬間から支配されていた。
当たる事なく、というより飛び込んだ脚の横をすり抜けて行く。前に。
それは止まった時間の中を動いているこのような。
左脚を伸ばしている黒ずくめの男の胴体まで近づくと、男の左頬に右手を添えた刹那!
男の身体は空中で90度回転して、頭を下にして垂直になっていた。回転の勢いそのまま地面に叩きつけられるが、その時には頬を押した右手は脚を固め、左手で腕を極めて右足の足刀で顎を押さえていた。受け身が一切とれない状態で頭上から落ちていた。
「邪魔をするな!」
怒気がこもった怜一の声と共に、男はピクリとも動かなくなった。
伊號丸は今まで感じた事がない感情の奔流を浴びていた。
これが遥殿か…。
喜ぶ時も、落ち込む時も、嬉しい時も、悲しい時もずっと一緒だった。
もちろん、怒った時も一緒でその時ですらこんな感情は無かった。
青白き炎は今や燃え盛っていた。
色も青に変わり、紫に変わりどんどん黒が増えて、青黒くなっていた。
【遥殿!これではもう、自分で制御出来なくなりますぞ!】
伊號丸の言葉は届かない。
パキリ!
パキリ!
心の溶鉱炉が熱せられて、爆ぜる音がした。臨界点。
カシャッ!
遥の眼が変わった。
三白眼の眼は怒りの色である。
その眼が捉えた者。
摂津秋房である。
「うおぉおぉおぉおぉぅぁーっ!!」
遥は慟哭と共に走り出した。
空間支配。
怜一めがけて放たれた飛び蹴りである。
飛んだ瞬間から支配されていた。
当たる事なく、というより飛び込んだ脚の横をすり抜けて行く。前に。
それは止まった時間の中を動いているこのような。
左脚を伸ばしている黒ずくめの男の胴体まで近づくと、男の左頬に右手を添えた刹那!
男の身体は空中で90度回転して、頭を下にして垂直になっていた。回転の勢いそのまま地面に叩きつけられるが、その時には頬を押した右手は脚を固め、左手で腕を極めて右足の足刀で顎を押さえていた。受け身が一切とれない状態で頭上から落ちていた。
「邪魔をするな!」
怒気がこもった怜一の声と共に、男はピクリとも動かなくなった。