甘々顔KING総長様と地味顔女子
で、着いた場所は可愛いお店。
甘い香りを漂わせているお店。

ここは、もしや、
「お兄ちゃん、ここのチョコバナナクレープ大好きなんだよ♪」
へ。
チョコバナナ?クレ―――「ぷ」

あの昨日の衣装を着た姿でチョコバナナクレープを美味しそうに食べている姿を想像してしまった瞬間、つい笑ってしまった。
「ああ?今、笑ったか?亜弥さんの事わらったんか?」
すかさず、慧と呼ばれてる子に威嚇されたっ、
「ひぃぃ―――、す、すいませ――んっ!!」下級生に謝る私。
「け―――い、さっき、黙るって言ったよね。」
「う、でも亜弥さんの事、バカにされたらさー」
「しょーがないじゃん、私だって笑えるんだから。」
「っ!」
ああ。なんて優しい妹さんなんでしょー、助かりましたぁ!
「まゆさん、さっきのお金出して。」
「あ、うん。」
妹さんに言われて、さっきから持っていたお弁当代分のお金を渡した。
「すいませーん、チョコバナナクレープ1つ、くださ~い」
私の代わりに注文までしてくれる
妹さんなのに、まるでお姉さんみたいに面倒見がいい。改めて先輩としてダメダメな部分が浮き彫りである。

クレープが出来上がるまで、私たちはお店の前に置いてあるベンチに腰掛けた。
お弁当代とほぼ同じ値段だったみたいで、端数の請求は無いとの事で、一安心した私は、今日、学校では聞けなかった疑問を妹さんにぶつけてみようと思いたった。
「あの黒園さん、」
「さくらでいいですよ♡」
可愛い顔でそう微笑んでくる。///
ハッ!こーゆう時、必ず奴が鋭い視線をおくってくるハズ!
と、キョロキョロしたが、その奴(慧とよばれる男の子)は見当たらない、?
ふとお店の方へ目をやると、奴(もう奴になったのか!)も何か注文している。
もしかして、慧って子もチョコバナナクレープが好きだったりして「ふふ。」
「どうしました?まゆさん?」
「え?!あ、ううん。えと、じゃ、あ、あのさくらさん、ちゃん?」
「さんはイヤで~す♪」はたまたこんな可愛い事をっ///
「じゃ、さくらちゃん//その、実は、学校で聞きそびれた事があって。」
「んー?なんですか?」
「さくらちゃんは昨日、コンビニに来ていたから、私の事がわかったの?
でも、お兄さんがお金受け取らないってわかってた訳でしょ?それなのになんで、わざわざ私に会いに来てくれたんです、あ、、くれたの?今だって・・その」
全ての疑問を一気に出した。
その質問に彼女は
「え~と、私はコンビニに着いて、すぐ、お兄ちゃんのバイクの後ろに乗り込んで走ったから、まゆさんの顔はみていないよ。それよりもお兄ちゃんの顔の方が面白かったしね♪」
「え?じゃ、」
「慧がね」
「へ?」
「昨日、コンビニ前で一緒に待ってた人達いたでしょ?」
「え?あ、うん5,6人?くらい?」
「その中に慧も居たんだよ~」
へ?
「え――っと・・、」あの人達ってアレだよね、
「慧は頭いいから、一度見た顔は忘れないの。」
え―――っと・・その中学生だよね、彼。
「だから、まゆさんの事は慧に協力してもらっ、まゆさん?」
「え?あ、ごめ、その・・、彼があの人達と居たってことは、もしかして」
「ん?中学生でも普通に入ってるよ?」
「へ?」イミわかってる?
「お兄ちゃんのチームって、結構、大きいんだよね。」
「は?!!???今なんて?」
「え?だから、お兄ちゃんのチーム・・」
てっ!!?
え?
そ、それは
「そのぉ、お兄様、の、チームって事は、もちろん、お兄様は・・」

「はい。総長です♪」

はう!!
そんな爆弾発言を花をしょって答えられたっ!

そ、総長。総長・・って
「あのぉ、つかぬ事をお聞きしますが、」
「ん?なぁに?」
「そのチームと言うのは属になんと呼ばれるものでしょうか?」
恐る恐る聞く。
もしかしたら、私の考えているモノとは違いかもしれない、
「え?属にって、ぷ。ソレ、だじゃれ?」
「いえぇ・・」

「その族でーす♪」

はっ!――あああうっ!!この正解率はテストで発揮したかった!
や、
やっぱり・・あのお衣装、バイク、そして柄の悪さ。(言いたい放題だな。
かなりの確率の高さで思っていた、やはり!ぼ、ぼーそーぞくだったんだっ、
しかも、そのお兄様は、早朝、じゃなかった!そ、総長と言うではないかっ!!
あんな甘々な顔してて?(ソコ重要視?)
さ―――・・血の気が引く。まさか総長という最悪のカードまでひくとは!まさに想定外。
ああ――私ってば、そ、そんな人にっ、暴走族の総長様に、おごってもらったっていうのぉ~~~~?!
ハッ!だから、慧って子も面白くなかったんだ、そりゃ、そうだよね。
自分の入っている暴走族の総長様にこんな私が、だもんね。だから、私に対しての圧がすごかったんだっ!!
うわ~~~~~そりゃ、見つけて文句も言いたくなるよねっ!だから、私のトコになんて来たんだ、

「まゆさん?」

「・・さくらちゃん。」
「はい」

「私、帰りま、・・帰る。」
「え?」

「家にはいけません、ごめんなさい!」
そう言って、その場から走り去った。
「え?まゆさーん!?」
後ろから可愛い声が響く、でも振り向けない。ごめんなさい。


家に駆けこむと、すぐにドアの隙間から、辺りを伺う。
よし、誰も付けてきていないな。家はバレてないようだ。
ふはぁぁぁ~~~~~
玄関に座り込んで安堵した。
とりあえず、昨日のお弁当代は払った。チョコバナナクレープに変換してだが、
でも払った。
慧って子も、これだけ私に怖い思いをさせたんだ、もう勘弁してくれるだろう。
もう何も負い目は無い。仕返しもされないだろう。
んー。
でもさくらちゃんは・・文句を言いにきたって感じじゃなかった。
もしかして、何か別な理由があったのかも。
もし、そうだとすれば、さくらちゃんの申し出を断ったりして悪い事したかな。

それだけが少し胸を痛めた。
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