ブリキのおもちゃと少年
クリスマスだった。

新しいおもちゃを買いに街に出た。

ママと手を繋いでーー。



真冬の寒空の下ーー
ごみ捨て場に佇むブリキのおもちゃ。



「ママ、あのおもちゃ可哀想。
持って帰って綺麗にしてあげたい」



僕は、綺麗なおもちゃより、動くおもちゃより、何より君が気になった。



「汚いわね、新しいおもちゃ買ってあげるよ」



ママはそう言ったけどーー
僕はブリキのおもちゃが欲しかった。



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