ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド この世の果て
 そんなわたしを見て、シド兄は目を細めた。
 そして、ふわっと頭を撫で、手をのせたままの恰好で、わたしの目を覗きこんできた。

「忙しいそうだけど、また、ちょくちょく店に来いよ。顔、見られないと寂しいから」
「うん……」

 胸がきゅーっと締めつけられて、倒れそうになった。

 わたしと会えなくて寂しい。
 シド兄が⁉︎

 その言葉がエンドレスで頭のなかを回りつづけている。
 
 それって、シド兄もわたしと同じ気持ちって、解釈していいってことだよね。
  わたしが好きってこと、だよね。

 その夜は、幸せの予感で頭も胸もいっぱいになり、目が冴えて一睡もできなかった。
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