ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド この世の果て
 信号待ちのあいだ、ため息をひとつつくと、彼は言った。
「やっぱり、付き合うのは高校卒業してからにしよう」
「なんで? まだ3カ月以上も先だよ」
「大切にしたいんだ、エイミーのこと。そのとき、お父さんにちゃんと了承を得るから」
 そう言って、わたしの目をまっすぐ見つめてくる。
 その眼差しから、わたしのことを真剣に考えてくれていることが伝わってきた。
 何も言えない。これ以上。

「うん。わかった。嬉しい。そんなふうにちゃんと考えてくれるなんて」
「やっぱり、世界一可愛いな。エイミーは」
シド兄は微笑み、わたしの膝をぽんぽんと叩いた。
 そんな、何気ない仕草にも彼の気持ちがこめられている気がして幸せが込み上げてきた。

 親には、文化祭の準備をするから友達の家に泊まる、と言っていたので、わたしたちは24時間営業のファミレスに行き、朝まですごした。

 翌朝、わたしはそこから登校した。
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