JOKER -東京の片隅で愛を探して-
「よ!……俺のこと覚えてる?」
裏がありそうな笑みを浮かべる。
店にまで来たのは、あの日、確か一哉と名乗った男だった。
「まあ、」
……なんでここにいんの。
不快に思いながらも、仕事だから対応せざるを得なかった。
「……この間は、ごめんな?」
「……え?」
「俺さ、どうかしてたんだわ。嫌がる女の子を無理矢理引きずり込むなんて、最低だよな」
「……なんだ、自覚してたんだ」