JOKER -東京の片隅で愛を探して-
はぁ……。
やっぱそんなにうまくは行かないのかなぁ。
「……あ」
ふと、さっきの光景を思い出す。
確かおっさんのポケットの中にあった気が…。
そう思い、脱衣所へと向かう。
……どこだろう。
「未来ちゃーん。まだぁ?」
シャワー室からはおっさんの声が聞こえる。
「ちょ、ちょっと待っててねー?」
急いで財布を探しながら、返答をする。
「私、恥ずかしくって……」
「あはは、恥ずかしがることなんてないのに!」
……あった!!
「……逃げちゃダメだよー?」
そう言われて、私は急いで財布ごと持ち出す。
「……っ!?逃げないよ?そんなのー」
自分の鞄におっさんの財布を乱暴に詰め込んで、急いで部屋を出ようとした。