JOKER -東京の片隅で愛を探して-
「お前、なんでそんな淫らな格好してんだよ」
「……淫らっ!?」
自分の格好を見てみると、さっき服のボタンを引きちぎられてそのままなのと、雨でびしょびしょに濡れて身体に張りついていた。
「あ、あんまり見ないでよ!」
両手で身体を覆って、見られないように隠した。
「つか、気付くの遅ぇよ」
彼は、呆れたように笑った。
「うわ、血出てんじゃん」
すると、私の足を見て言う彼。
「本当だ……」
さっき、こけた時かな。
足から流れ出る血は、雨で滲んでいた。
「……お前さ、何があったんだよ」
「なにも……ないよ?」
「嘘つけ。……泣いてんじゃん」
「泣いてないよ……雨だもん…」
「……ほら、立てる?」
スッと彼が差し伸べる手に、私は掴まった。
「……うん」