JOKER -東京の片隅で愛を探して-
「あれ、来てくれたんだ」
しばらく待ってると、彼が私の席についた。
「お、お礼!昨日の、……してなかったから」
「お礼……?」
「あ、足の」
私は、手当てして貰った足を彼に見せた。
「あぁ……もう、大丈夫?」
「うん、ありがとうね」
……なんだろう。
今日、優しくない?
気のせい?
それとも、営業だからかな……。
「あ、なんか飲む?」
「飲む……けど」
「けど?」
「私、こういうの、よく分かんなくて」
「……じゃあ、こっちで勝手に頼んでい?」
「うん」
私がこう答えると、彼は次々と注文していき、シャンパンコールまで始まる始末。