JOKER -東京の片隅で愛を探して-


なに?このホスト……。


普通もっとガンガン攻めて来るもんなんじゃないの?


こんなんじゃ、捕まる客も捕まんないよ……。


まあ、こっちとしてはその方がありがたいんだけど。






私は再び力なく歩き出した。









━━ドンッ




「いった……」




すれ違った人にぶつかって、私は地面にひざまづいてしまった。






「はあ……」



私は深いため息をつく。




立つ気力もなく、しばらくその場に座り込んでいた時。





「あのー……」




頭上から声がした。





見上げてみると、そこにはいかにもホストだということが分かる派手な格好をした人が立っていた。


半分以上のボタンが開いたシャツ、掻き上げられた前髪、端正な顔立ち。


目の前の高さにある胸板からは、鍛えられた筋肉がのぞかせていた。

……それにしても、ちょっとはだけすぎじゃない?この人。








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