√セッテン
河田に視線を投げると、気持ちの悪いウィンクを投げてきた。

なんだよ、という顔をすると、ブレザーのポケットに入れていたケータイが鳴った。


見ると、メールの受信だった。


テーブルの下でメールを読むと、河田からだった。



気を利かせて帰れ
頼む!
俺一世一代の賭に出る
゜+.ヽ(´▽`)ノ。゜+.゜


……

……………


お前、彼女いるだろ、一応。

二股か?

また……

カシ、というスライド音をたてて、ケータイを閉じる。

「敦子、俺もう帰るから」

「え? あ、そうだねもう遅いもんね」

「おぅ♪んじゃな! 黒沢! でさ、敦っちゃん、さっき話してたカツーンのカメアリのさ!」

ため息して改札へ向かう。

敦子が何か言いたそうだったが、気をつけて帰れよと言って駅改札へ向かった。

河田は…違った意味で害はあるだろうが

敦子なら強烈な裏拳で撃退できるだろう。

たまには痛い目もあった方が、河田のためだと思って家へ帰った。

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