√セッテン
目の前には、オムライスが置かれていた。


「買収か」


「違うよ! 業務提携!」

ため息が出た。

家まで送ると言っただけで、試験対策まで世話をするなんて言ってない。

玄関で別れるつもりが、敦子のバカ力で無理矢理引き込まれると、逃げ場はなかった。

芙美叔母さんは笑顔で俺を迎えて、夕食を食べていくものだと解釈し

敦子は俺に弁解をする間を与えなかった。

「ね、今日だけ! 霧島さんにアポ取ったご褒美!」

「はいはい、よくできました、これで十分じゃないか?」

「それだけ?」

何だよ

いたく絡むな、今日の敦子は。

そんなに試験が心配なら早く復習しとけって話だ。

でも、しょうがないか。

敦子に留年されて、芙美叔母さんが泣く姿は見たくない。

重いため息をついて食事が終わると

敦子の部屋でスパルタ教育が始まった。






……………









ふと、自分が寝ていたことに気が付いた。


電気はついていて、敦子はベッドに寄りかかるようにして寝ていた。


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