√セッテン
<3>
眠れる森の王子様
土曜日
二条駅近くで待ち合わせをして
階段を使って地下に降りると、地味な喫茶店があった。
「僕はここの常連でね。ここは穴場さ。シャノアールとちがって落ち着く」
ワントーン照明の落ちた、オレンジ色の照明の下で、どっしりとしたソファーに座る。
「改めまして、はじめまして、霧島です」
そう言って目の前の男から差し出された名刺を受け取る。
俺は名刺なんて持ってないのでただ黒沢です、と名乗った。
「黒沢君、か。よろしく」
名刺には、霧島悠太と書かれていて
サイエンス社 アトランタ編集部第一G
と社名と部署が書かれていた。
茶色の髪、カラーサングラスから覗く大きな瞳は、逆光のせいか、色素が薄く見えた。
左目の下には泣きぼくろ、白い肌と高い鼻は、まるで外人のようだ。
彼が、あの記事を書いた、霧島悠太だった。
「それで、さっそくだけど死の待ち受けの話をしよう。黒沢君、君に表示されてるのかな?」
霧島悠太は言って煙草を取り出す。
いい?と彼は一応断わりを入れてから、火を付けた。
「その前に、守秘義務が守られること確認させて下さい」
「あぁ、安心して、情報提供者や一般個人の名前を勝手に公表したりはしないよ」
ふ、と紫煙を吐き出すと、霧島悠太は俺をサングラス越しに見た。
「もう1つ、俺から確認事項があります。あなたはタナトスの館という、ケータイサイトを知っていますか?」
「あぁ、知ってるよ」
「管理人はあなたですか?」
「なぜそう思った?」
二条駅近くで待ち合わせをして
階段を使って地下に降りると、地味な喫茶店があった。
「僕はここの常連でね。ここは穴場さ。シャノアールとちがって落ち着く」
ワントーン照明の落ちた、オレンジ色の照明の下で、どっしりとしたソファーに座る。
「改めまして、はじめまして、霧島です」
そう言って目の前の男から差し出された名刺を受け取る。
俺は名刺なんて持ってないのでただ黒沢です、と名乗った。
「黒沢君、か。よろしく」
名刺には、霧島悠太と書かれていて
サイエンス社 アトランタ編集部第一G
と社名と部署が書かれていた。
茶色の髪、カラーサングラスから覗く大きな瞳は、逆光のせいか、色素が薄く見えた。
左目の下には泣きぼくろ、白い肌と高い鼻は、まるで外人のようだ。
彼が、あの記事を書いた、霧島悠太だった。
「それで、さっそくだけど死の待ち受けの話をしよう。黒沢君、君に表示されてるのかな?」
霧島悠太は言って煙草を取り出す。
いい?と彼は一応断わりを入れてから、火を付けた。
「その前に、守秘義務が守られること確認させて下さい」
「あぁ、安心して、情報提供者や一般個人の名前を勝手に公表したりはしないよ」
ふ、と紫煙を吐き出すと、霧島悠太は俺をサングラス越しに見た。
「もう1つ、俺から確認事項があります。あなたはタナトスの館という、ケータイサイトを知っていますか?」
「あぁ、知ってるよ」
「管理人はあなたですか?」
「なぜそう思った?」