√セッテン
白い手
白い顔
ガラスの瞳
これが、同じ生き物なのかと、疑問さえ覚えた。
「河田君?潤?」
山岡の声で、俺と河田が振り返った。
2人同時に振り向いたものだから、逆に山岡がビビっていた。
「……だ、大丈夫?」
「っか、やべぇよ、俺、なんで文化祭で声かけなかったんだろう」
河田は俺の腕を掴んで、ガクガクと揺らす。
「もっと、ちゃんと蔵持七海のこと聞いてみるわ」
河田はフローリングを滑りながら、玄関へと走っていく。
「俺、色々調べるから」
河田は言って逃げるように家から飛び出していく。
……河田をそこまで突き動かす力が、蔵持七海のライブにはあったんだろう。
だが、分る気がする。
どこか、守りたくなる、微笑ませてみたいと思う少女だ。
「何あれ、いきなり蔵持七海さんファン?」
敦子の言葉に、山岡は、たしかに上手だったけどね、と頷いた。
「河田君の軽薄さがよく分ったわ……千恵もだまされちゃだめだよ」
言葉を受けて、山岡が小さくなった。
「潤もさ!キレイだ、とか言ったでしょっ!」
「……言った?俺」
「言った、私聞いたもん」
「……うん……キレイ……だったろ?」
俺の言葉に、敦子は何か変なものを口に入れたような顔をした。
「そりゃ、日本人離れしてはいたけど……お人形みたいね」
「ハーフだよね? 何系かなぁ? ヨーロッパっぽいけど」
山岡はデッキから吐き出されたビデオを手にとって、走り書きされたライブハウスの名前を目で追っていた。
しばらく雑談をしていると、山岡が切り出した。
「……あの、敦子」
「ん?」
白い顔
ガラスの瞳
これが、同じ生き物なのかと、疑問さえ覚えた。
「河田君?潤?」
山岡の声で、俺と河田が振り返った。
2人同時に振り向いたものだから、逆に山岡がビビっていた。
「……だ、大丈夫?」
「っか、やべぇよ、俺、なんで文化祭で声かけなかったんだろう」
河田は俺の腕を掴んで、ガクガクと揺らす。
「もっと、ちゃんと蔵持七海のこと聞いてみるわ」
河田はフローリングを滑りながら、玄関へと走っていく。
「俺、色々調べるから」
河田は言って逃げるように家から飛び出していく。
……河田をそこまで突き動かす力が、蔵持七海のライブにはあったんだろう。
だが、分る気がする。
どこか、守りたくなる、微笑ませてみたいと思う少女だ。
「何あれ、いきなり蔵持七海さんファン?」
敦子の言葉に、山岡は、たしかに上手だったけどね、と頷いた。
「河田君の軽薄さがよく分ったわ……千恵もだまされちゃだめだよ」
言葉を受けて、山岡が小さくなった。
「潤もさ!キレイだ、とか言ったでしょっ!」
「……言った?俺」
「言った、私聞いたもん」
「……うん……キレイ……だったろ?」
俺の言葉に、敦子は何か変なものを口に入れたような顔をした。
「そりゃ、日本人離れしてはいたけど……お人形みたいね」
「ハーフだよね? 何系かなぁ? ヨーロッパっぽいけど」
山岡はデッキから吐き出されたビデオを手にとって、走り書きされたライブハウスの名前を目で追っていた。
しばらく雑談をしていると、山岡が切り出した。
「……あの、敦子」
「ん?」