√セッテン
「だから、景のためにももう、終わりにしないといけないと思った。
前にも言ったよな、景がもう止めてくれって俺に言ってるんだって。そう思うと死の待ち受けが自分のケータイに表示されてるなんてこと、後回しにできる」
リストの店舗名にまた斜線が引かれる。
「精一杯立ち向かえば、もし死んでも景は許してくれるだろ」
蔵持七海の目撃談は、どこへ行っても空振りだ。
「誰もあなたを責めたりしませんよ、渋谷さんだって責めたりしないと思いますけど」
だといいんだけど、と堀口俊彦は苦笑いすると顔を上げた。
「この件、蔵持が関係してるんだよな」
そう言えば堀口俊彦は蔵持七海を知っているんだった。
「画像が暗い……ってのもあるけど、普段の蔵持の姿を知ってたら、これが蔵持だなんて思えないよ」
リストから、またひとつ店舗が消える。
ふぅ、と息を吐くと、堀口俊彦が自販機からジュースを買って渡してくれた。
ジュースを飲みながら、今日最後のライブハウスへ向かった。
「そうだ、あとでみんなに見て欲しいものがある。景のケータイなんだ……」
「いいんですか?」
「悩んだけどな、蔵持に関係あるかもしれないし。霧島さんは蔵持と親しかったんだし、分ることがあるかもしれない」
「そう……ですね」
最後のリストに斜線を引くと、丁度集合の時間になっていた。
時間を堀口俊彦に告げて、来た道を戻る。
喫茶室コートダジュールに向かいながら、リストを折りたたんだ。
「何も収穫はなし、か。これで本当に解放にたどり着けると思うか?」
堀口俊彦の言葉に、俺は何も答えを返さず歩き続ける。
前にも言ったよな、景がもう止めてくれって俺に言ってるんだって。そう思うと死の待ち受けが自分のケータイに表示されてるなんてこと、後回しにできる」
リストの店舗名にまた斜線が引かれる。
「精一杯立ち向かえば、もし死んでも景は許してくれるだろ」
蔵持七海の目撃談は、どこへ行っても空振りだ。
「誰もあなたを責めたりしませんよ、渋谷さんだって責めたりしないと思いますけど」
だといいんだけど、と堀口俊彦は苦笑いすると顔を上げた。
「この件、蔵持が関係してるんだよな」
そう言えば堀口俊彦は蔵持七海を知っているんだった。
「画像が暗い……ってのもあるけど、普段の蔵持の姿を知ってたら、これが蔵持だなんて思えないよ」
リストから、またひとつ店舗が消える。
ふぅ、と息を吐くと、堀口俊彦が自販機からジュースを買って渡してくれた。
ジュースを飲みながら、今日最後のライブハウスへ向かった。
「そうだ、あとでみんなに見て欲しいものがある。景のケータイなんだ……」
「いいんですか?」
「悩んだけどな、蔵持に関係あるかもしれないし。霧島さんは蔵持と親しかったんだし、分ることがあるかもしれない」
「そう……ですね」
最後のリストに斜線を引くと、丁度集合の時間になっていた。
時間を堀口俊彦に告げて、来た道を戻る。
喫茶室コートダジュールに向かいながら、リストを折りたたんだ。
「何も収穫はなし、か。これで本当に解放にたどり着けると思うか?」
堀口俊彦の言葉に、俺は何も答えを返さず歩き続ける。