√セッテン
聞こえてきたという歌との関係。
喫茶室コートダジュールにつくと、この前来たときに接客をしてくれたウェイターが笑顔で迎えてくれた。
堀口俊彦はここの事を知らないのか、微妙にソワソワした顔つきで店内を見ていた。
何も伝えていないのに、ウェイターは俺たちを奥へと案内する。
磨り硝子の向こうの、個室席に、すでに霧島悠太がいた。
「おつかれさま」
「じゅ、潤……」
霧島悠太と山岡の声が被る。
山岡は微妙に裏返った声をあげて俺を迎えた。
「…どうした?霧島さんに何かされたのか?」
堀口俊彦が山岡に言うと、山岡は大きく一度頷いた。
え?この人、なんかしたのか?
「何か、とか心外だよ。ちょっと暗いとこで『わぁ!』って、脅かしたりしただけだし。山岡さんはそういう天然っぽいとこ、七海に似てるねぇ」
俺が冷たい視線を霧島悠太に向けると、霧島悠太はサングラス越しに目を細めて笑った。
「霧島さん、遊びじゃないんですよ」
「コミュニケーションです。そんな怖い顔しちゃダメだよ」
霧島悠太から隔絶するように、俺の隣に山岡を座らせた。
「俺たちが見た分では、蔵持七海の姿も、話も聞いたことないってライブハウスばかりでした」
俺は話を戻しながら、足を組んだ。
「あ、でも1件、またライブに来てくれって言ってるトコロありましたよ。ジンマっていうライブハウスでした」
「あぁ、そこなら一度ライブしたことがある」
霧島悠太は、ため息をして続けた。
「僕たちもリストの店舗は全部アタックして……先月潰れたっていう店もアタックしてみたんだけど、ダメだったね」
彼は飲みかけのブレンドをぐい、と飲み干す。
ギリシア神話を模した磨りガラスのテーブルに、カツンと音をたててカップが置かれた。
喫茶室コートダジュールにつくと、この前来たときに接客をしてくれたウェイターが笑顔で迎えてくれた。
堀口俊彦はここの事を知らないのか、微妙にソワソワした顔つきで店内を見ていた。
何も伝えていないのに、ウェイターは俺たちを奥へと案内する。
磨り硝子の向こうの、個室席に、すでに霧島悠太がいた。
「おつかれさま」
「じゅ、潤……」
霧島悠太と山岡の声が被る。
山岡は微妙に裏返った声をあげて俺を迎えた。
「…どうした?霧島さんに何かされたのか?」
堀口俊彦が山岡に言うと、山岡は大きく一度頷いた。
え?この人、なんかしたのか?
「何か、とか心外だよ。ちょっと暗いとこで『わぁ!』って、脅かしたりしただけだし。山岡さんはそういう天然っぽいとこ、七海に似てるねぇ」
俺が冷たい視線を霧島悠太に向けると、霧島悠太はサングラス越しに目を細めて笑った。
「霧島さん、遊びじゃないんですよ」
「コミュニケーションです。そんな怖い顔しちゃダメだよ」
霧島悠太から隔絶するように、俺の隣に山岡を座らせた。
「俺たちが見た分では、蔵持七海の姿も、話も聞いたことないってライブハウスばかりでした」
俺は話を戻しながら、足を組んだ。
「あ、でも1件、またライブに来てくれって言ってるトコロありましたよ。ジンマっていうライブハウスでした」
「あぁ、そこなら一度ライブしたことがある」
霧島悠太は、ため息をして続けた。
「僕たちもリストの店舗は全部アタックして……先月潰れたっていう店もアタックしてみたんだけど、ダメだったね」
彼は飲みかけのブレンドをぐい、と飲み干す。
ギリシア神話を模した磨りガラスのテーブルに、カツンと音をたててカップが置かれた。