√セッテン
『090』


「おい、山岡!」



「大好きな人は、守らないと、ダメだよ……」



「おい、君!そこで何やってるんだ!」


遠く後ろから、声がした。

『28X7』

山岡の手が、ボタンを押し続ける。

液晶に映る番号を見て、俺ははっとした。



『21X4』




通話がハジマル。




そしてスグ切れた。

その番号は知ってる。



それは山岡の、『その』ケータイの番号だ。



「殺してみなさい! でも私でこの呪いは終わりっ!私のケータイの最後の発信は私になる!」


ガン、と俺がもう1度投げつけた消火器が

自動ドアに今度こそ大穴を開けた。




駆けつけてきた警備員が俺の手から消火器を取り上げる。


荒い息の俺と山岡の前に、もう蔵持七海はいなかった。
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