√セッテン
その勢いで


床に落ちていたものが回転しながらエントランスの方へ弾かれた。



だがそれが何か分からなかった。






霧島悠太が俺の腕を引く。



強引に俺を床から引き上げた。



「出よう!堀口くん、飯島さんをお願いするよ」




うっすらと開けた瞳の先に、俺のケータイがあった。


市松模様のタイルの上に、黙って転がっているそれを

手を伸ばして掴むと、そこまでが限界で意識の糸がプツリと切れた。
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