√セッテン
....♪.♪....♪
河田のケータイの待ちウタが陽気に流れる。
敦子は、堀口俊彦、霧島悠太と3人で蔵持七海の今後について話しだした。
司法解剖の結果はいつ出るのか、とか、遺留品はいつ引き取れるのかとか
そんな話。
..♪....♪...♪
出ろ
病院にいても、窓から顔を出して取れって
俺は言ったハズ。
...♪....
待ちウタが、またはじめのフレーズに戻った。
『もしもし?』
プツ、と血管でも切れるような音がして、画面は通話中の表示になる。
ケータイのランプは、通話中を知らせるレインボーに輝きだした。
声は、山岡だった。
「山……」
通話が切れた。
通話終了、5秒、と画面に表示されると、いつもの待ち受けに戻った。
海沿いのトンネルに入り、電波が途切れたのだろう。
コンビニで売っている、簡易充電器。
俺は、3人が前を見ているタイミングでポケットからケータイを取り出して、充電器を差込んだ。