√セッテン
送信フォルダに戻り、メールを確認する。

1つのメールに1つの画像が添付されていた。

送信先は、池谷美保、吉沢アヤト、甘川充

送信された日付は6月頭。


…………死がこのケータイから、ばらまかれた……

呼吸が浅くなっているのに気づいて、改めて深く息をする。

死の待ち受けのソースとなった画像が添付されているメールの本文を目で追っていく。

読んでいるのが辛くなってくる。

自然と眉間に皺が寄ってきた。


『早くここから出して、暗くて怖い。お願い』

『お願い、1人は嫌なの、美保、助けて』

『アヤト君、このメールが届いたら、助けに来て欲しい。お店の名前は分からないけどライブハウスで、地下にホールがある。写真添付します』

『美保、許して』

メールの文章を目で追いながら、池谷美保の思考を平行して考察した。

一連のこと、恋愛感情のもつれで

池谷美保がやったに違いない。

池谷美保はこのメールを受け取ったはず。

それでもなお、霧島悠太の捜索に協力しなかったのは何故だ。

『このままだと私、押さえられなくなる』

『喉が渇いて、手が震えます』

『もう私は……いらないのですか』

『たすけて』





『だれか わたしを 止めて』

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