√セッテン
15日も放っておいて、死なないわけないのに
√の女は軽蔑するように言い捨てた。
「美保は、私がこのままここで朽ち果ててしまえばいいと思って、私だと証明のつくものを持ってアムリタから逃げ出た。
身元が分かるものがない状態で朽ち果ててしまえば、誰が誰だか分からないって、そんな浅はかな考えだったんでしょうね」
でも、開け放たれたアムリタからは、一緒に構築された死の公式も飛び出した。
池谷美保はアムリタから飛び出す瞬間、蔵持七海のケータイを落としたんだ。
階段に飛び散っていた写真や小物は、池谷美保が散らかしたものだったのか。
恥じらうように微笑んでいた蔵持七海の
あの写真が、悲しく記憶に浮かんで、沈む。
「私と潤のケータイは、同じだから知ってるわよね。このケータイには、"圏内自動メール送信"機能がついてる」
「!」
圏内自動メール送信
……それが、このカラクリか
圏外で作成したメールが、電波の届く場所に移動した場合
自動で再送信する機能。
圏外でメールを作成することはなかなかなく、俺は使った試しはなかった。
「"わたし"は、一縷の望みをかけて、圏内自動メール送信設定をしてたの。それに……私はそれに恨みと呪いを押し込めてたけどね」
そして
死の公式はハジマル。
「メールは圏内のエントランスから、美保や甘川君、そしてアヤト君に飛んだ」
低い√の女の笑いが、病室に響く。
√の女は軽蔑するように言い捨てた。
「美保は、私がこのままここで朽ち果ててしまえばいいと思って、私だと証明のつくものを持ってアムリタから逃げ出た。
身元が分かるものがない状態で朽ち果ててしまえば、誰が誰だか分からないって、そんな浅はかな考えだったんでしょうね」
でも、開け放たれたアムリタからは、一緒に構築された死の公式も飛び出した。
池谷美保はアムリタから飛び出す瞬間、蔵持七海のケータイを落としたんだ。
階段に飛び散っていた写真や小物は、池谷美保が散らかしたものだったのか。
恥じらうように微笑んでいた蔵持七海の
あの写真が、悲しく記憶に浮かんで、沈む。
「私と潤のケータイは、同じだから知ってるわよね。このケータイには、"圏内自動メール送信"機能がついてる」
「!」
圏内自動メール送信
……それが、このカラクリか
圏外で作成したメールが、電波の届く場所に移動した場合
自動で再送信する機能。
圏外でメールを作成することはなかなかなく、俺は使った試しはなかった。
「"わたし"は、一縷の望みをかけて、圏内自動メール送信設定をしてたの。それに……私はそれに恨みと呪いを押し込めてたけどね」
そして
死の公式はハジマル。
「メールは圏内のエントランスから、美保や甘川君、そしてアヤト君に飛んだ」
低い√の女の笑いが、病室に響く。