√セッテン
「俺にはお前が敦っちゃんを気にかけてるようにしか見えないけどな」

またその話か

そんな顔をすると、河田もやっと俺の怒りパターンを理解して話題を戻した。

「敦っちゃんの話だと、呪い避けの待ち受け画像を入れておけば大丈夫って話だぞ」

「うさんくさい、なんかの企業の販促じゃないのか?それ」

「販売促進かーオカルト系のグッズ売ってる会社とか、出版社が、そういうデマでも流してるってことか? 恐怖特集つくるために、でっちあげ、よくあるしな」

ダーツを投げて、矢先がボードに突き刺さる。

バレルを握る手が少し汗をかいていたので、椅子に腰掛けてオレンジジュースを頼んだ。

河田は相変わらず軽快なスローを続けている。

「でも人、ホント、死んでるらしいぜ」

「偶然だろ、お前ら本気にするから、のめり込むんだよ……」

「だけどさー西口にムーントピックって胡散臭いクラブあったじゃん」

「潰れてたよな、土地開発が入るとかなんとかで」

河田は笑ってボードへ狙いを定め、一端沈黙する。

「そこで3人死んだんだってよ。死の待ち受けが原因って噂らしいぜ。そういう情報載せたホムペがあるんだってさ、敦っちゃんが教えてくれた」

だからそれが怪しい。

「そこのホムペにも呪い避けの待ち受け画像置いてあるんだってよ、結構広まってるぜ?」

「ま、ネットだったらいくらでも好きなこと書けるしな」

「まぁね。俺あんまりアッチ系サイト見ないから、真偽は知らねぇけど」

「お前いつもエロサイトばっかり見てるしな」

「あ、バレてます?」

オレンジジュースで喉の乾きを潤す。

そう簡単にヒトが死んでどうする。

俺から言わせれば、どうせあの廃屋クラブで、違法行為でもしてたんだろう、ってとこだ。
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