助けてください!エリート年下上司が、地味な私への溺愛を隠してくれません
ちなみに。
それから12時間後。
またチャイムがなり、渦中の加藤さんが現れた。

「こ、こここんばんわ」

……ロボットのような挨拶になってしまった。
加藤さんはこの時も、玄関だけの訪問だった。

「服の詫び」

と紙袋を渡しただけで、さっと帰って行ってしまったが、残された私は、非常に困惑してしまった。
何故ならば。
ボーナスが出たら1度は購入の候補に入れる、有名ブランドの新品の可愛い洋服が入っていたからだ。
しかも。
中には、味気ないビジネス用の付箋に、見慣れた加藤さんの急ぎ文字で

「あの服は、早く捨てろ」

と書いてある。

私は、紙袋を抱きしめながら

「これを、私に一体どうしろと言うんですか……」

正直、今日の明日でこの服を着ていくのは、顔が沸騰するレベルで恥ずかしい。
むしろ、今夜本当に熱が出てしまうかもしれない。
そうなったら、明日朝一からの業務なんて、できるわけない……。

「どう責任とってくれるんですか……加藤さん……」



Winner 加藤涼介 (好きと言う言葉を使わずに気持ちを悟らせ混乱させるという、高等テクニック ※ただし無自覚 による逆転勝ち)

Last Fightへ続く……
< 52 / 88 >

この作品をシェア

pagetop