食人姫と殺人鬼



トイレの中、床につっ伏する私と、頭を踏み付ける大利と佐藤を交互に見つめた柳さんは、

嫌悪感をその表情に表す。

「あー柳さん。これは遊んでるだけだから、気にしな「そんなくだらない事してる暇があるなら、そのブサイクな顔をどうにかしたら?」

一瞬、シーンと静まり返る。

「今のあなたたちの顔、相当醜いよ。見てて不快」

数秒もすれば、大利と佐藤の顔が真っ赤に染まっていき。

「てめぇ!!調子に乗るなよっ!!」

大利が柳さんにつかみかかったのと同時に、


キーンコーンカーン…


授業開始前の予鈴が鳴り響いた。


「ちっ……柳さぁん、覚えておいてね」

いつもの作りこんだ甘い声に戻した大利は、そう言い残すと佐藤とともにトイレから出て行った。


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