食人姫と殺人鬼
名前を呼ばれて振り返れば、目を細める星と視線がぶつかる。
「…さっきからこっちを気にしてるよね。興味があるなら高田も一緒に行こうよ」
そう言いながら、星は俺の席まで近づいてきて、
「いや、俺は…」
「オカルト好きって聞いたけど?」
「オカルトというか……」
どちらかと言うと民俗文化に興味があるだけで、もちろん妖怪とか怪異とかも含まれるけど…
「なら決まりだね。…高田も行くって」
俺の返答も待たずして、笠原たちに伝える星。
案の定、「えー、ワカメも来るの?」「まぁ星んとこの屋敷に行くから、文句は言わないけどさぁ」と、明らかな不平不満が。
ちなみにワカメというのは勝手につけられた俺のあだ名。髪が天パだからという理由だけで。ほっといてくれ。