食人姫と殺人鬼
バスを降りてからは、もちろん徒歩。
山の中をひたすら歩いていく。
「もぉ疲れた〜」と、大利と佐藤は根を上げていたが、歩いたのはだいたい15分ぐらい。
たどり着いた場所には、木々の中にひっそりと建つ大きな屋敷が。本に出てくるような洋館だった。
「おー!本格的だなっ」
それを見て、笠原が目を輝かせる。
確かに、それなりに雰囲気はある。今は18時をとっくに過ぎており、夕方のオレンジと相まって、不気味さが増しているような気がした。
古びた扉の鍵穴に、鍵を指してガチャと回す星。
「それじゃあ入ろうか」