食人姫と殺人鬼
「やっっば!なんか出そうだわ!」
「うわっ、埃臭い」
「すでに怖いんですけどー!」
それぞれに感想を口にする。
屋敷内は手入れが全くされていないようで、見た目の壮大さからは想像できないくらい、ボロボロだった。
床はきしむし、今にも抜け落ちそう。所々蜘蛛の巣食ってるし。
デカすぎる廃屋って感じだな。
「ここってガチだったりすんの?」
笠原が星に興味津々に詰め寄る。
「うーん…ここ最近誰も入ってないから、幽霊を見たとかは聞かないんだけど、噂によれば取り壊そうとする度事故が起きてできないんだって」
「やべぇ!呪われてるよ、これ」
「…そうなのかな」
益々興奮に火がついたような笠原は、「はやく回ろうぜ」と子どものようにはしゃぎ出す。