食人姫と殺人鬼



あまり埃を吸い込みたくないので、浅めに息をする。効果はないだろうけど。

どうやら俺が入った部屋は書斎のようで、棚には本がズラリと並んでおり。

当たりだ…!と思いながら、俺は埃を払って本を手に取る。

古い館だから興味深い書籍が見つかるかもしれないと淡い期待を抱いていた。だから一発で書斎を引き当てることができて、暗い部屋に似合わず内心ウキウキで本を開く。


が、しかし。


文字がかすれている……。


案の定、古すぎて所々破れていたり、文字が消えていたりで、読めたものでは無かった。

他にも何冊か手に取ってみたけれど、やはり全滅だった。

まぁ、こんなものだよな……。


< 33 / 67 >

この作品をシェア

pagetop