食人姫と殺人鬼
交流は、少なからずあった。
初めて会話をしたのは、進級して1ヶ月が経とうとしていた日のこと。
その日は何となく朝早くに目が覚めて、家でずっといるのも暇だったから、いつもよりもかなり早めに学校へ向かった。
もちろん俺しかいないだろうと思って教室に入ったのに、そこには柳の姿があり、一瞬たじろいでしまったのを覚えている。
隠れる必要は無いのだけれど、少し静かめに自分の席に向かい、机に荷物を置く。
が、偶然なのか、窓際に立っていた柳が振り返り、俺と目が合って。
「おはよう」
すっと身体に入ってくるような透き通る声で、俺に声をかけた。