食人姫と殺人鬼



「その前にごめん、何で花見さんが柳さんのこと気にしてるんだ?」

あまり2人に接点がある印象はなかったし、会話をしているところさえ見たことがない。

そんな花見さんが柳のことを聞いてくるのが気にかかった。


「……えっと、実は柳さんに憧れてて。強くてかっこいいところとか」

強い、まぁある意味自分の意志が固いというところは、そうなのか?

「だから柳さんの事件に納得がいかなくて。自殺の件とか…遺体が消えたのとか…」

「確かに。でも自殺は確定じゃないか?目撃者もいるし、警察も首に刺さったナイフの指紋は柳のしか検出されなかったと言っていた。それに刺傷も自分で刺さないと不自然な角度だって…」

「それは、分かってるんだけど…。事件の真相が隠されたままなのが、納得いかなくて…。だって、絶対大利さん達がいじめをしていたのに…!」

と、悔しそうに花見さんが声を振り絞った。


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