食人姫と殺人鬼
「いや、こんな暗いところ女子一人で歩かせる?ふつーに無理、怖いから!」
「ふんっ、大好きな星と2人きりになれるぞ」
ニヤリと笑う松本に、私はハッとする。
確かにこれは星くんと2人きりになるチャンスだ。ほんとはこんなところでなんて嫌だけど。
こんなの星くん>恐怖でしょ!恋する乙女は強しってやつ。
「じゃあ1人でも〜どろ!アンタは来なくていいからね」
「はいはい」
よーし、こうなれば星くんに猛アタックだ!
────と、意気込んで戻ってきたはいいけど。
「いないじゃん!」
目的の星くんは入口から姿を消していた。