食人姫と殺人鬼



「え、どこ行ったの……」

入口で待機しておくって言ってたのに。まぁ集合時間に間に合うならずっと入口でいる義務はないんだろうけど。

こんなのせっかく頑張って来たのに損じゃん。




「…星くん、どこ〜……?」

「…………呼んだ?」

「ぎゃっ!!」

何の気配もなく、突然背後から現れた星くん。

顔を光で照らされたら、完全に腰を抜かしていたほど、完璧な登場だった。

「びっくりしたぁ…どこに行ってたの?」

「…ちょっとね。佐藤さんこそ、集合時間まではかなり時間があるけど、どうしたの?」

「怖くなっちゃってぇ、戻ってきたの」


きゃーー!!星くんと2人きりだー!!!

私は廃館にそぐわないほど、テンションMAXになっていた。


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