首無し地蔵が笑ってる
古家編

男の子

紅猫(4)。

今の家を建て替える前の、まだ古かった家でのお話。

今はもう使っていない、物置小屋と化した寝室での出来事。

当時は小さな部屋に父、私、弟、母という並びで布団をしいて寝ていました。

いつの日だったか…私だけ先に布団に潜り込んで寝た時がありました。

部屋には私ただひとり。

いつも真ん中で寝ていた私は、何となく母がいつも寝ている所で寝ました。

ふと目を覚まし、寝返りをうつと、目の前には白い布。

「……?」

視線を上げた時、目が…合ってしまいました。

白い着物を着た男の子と。

彼はしゃがんでこっちをずっと見ていました。その距離、わずか数十センチ…。

しかし、そのことはハッキリ覚えているのに、その後のことを全く覚えていないんです。

両親に話すと、あっさりその話を信じ、私は初めて自分に霊感があることが分かりました。

部屋が座敷だったので、座敷わらしかな?と、勝手に思っていたのですが…あの子はいったい何者だったのでしょうか?

家系図を見ると、幼くして亡くなっている人が結構いるんですよ。

もしかしたら──…
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