首無し地蔵が笑ってる
次の日。

その日、友人が部活を休んでしまったため、私は1人、パート練習に励んでいました。

あの、2-2で。

――ゾッ

嫌な視線を感じ、私は視線を懸命に楽譜に集中させました。

見ちゃダメだと瞬間的に思ったのです。

しかし、人間の視界は180度見渡せてしまうのです。
見えてしまいました。

窓…

ベランダから…

見られている…

睨まれてる…

さっきから、ずっと…

あの、黒い女に……



――ガタッ

私は立ち上がり、廊下に飛び出しました。
水道ではあの後輩が打楽器を練習しています。

「ちょ、あの女怖っ!こっち見てきた!」

「あ、先輩。いま男の子とお話してたんですよ〜。」

…しかし、彼女の周りには誰もいません。

「お友達なんです☆」

…勘弁してくれ。
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