BLOOD VAMPIRE



「先輩!!」



私の呼びかけに
優しく笑うと



私の頬にそっと触れたーーー。



「俺、大阪で大事故にあってな…死にかけたんや…。そしたら俺の前に…あいつらが現れて…。ゲホッ!!ゴホッ!!」



喋っている途中で
さらに血を吐く先輩



「もう喋らないで!!傷に響く!」



目に涙をいっぱいためて
とめどなく溢れる血を
止めようと必死に押さえる



「ありがとう…りりかちゃんは、優しいなぁ。」



ハハッと乾いた
笑いを漏らすと
急に顔を歪ませた。




「いつもしつこくてごめん…。いつも困らせてごめんな。こうして最後にりりかちゃんに触れてもらえて良かった…。」



弱々しい言葉たちが
私の胸に突き刺さる…



「本間に大好きやった…幸せに…な…」



先輩の歪んだ表情
初めて見たーーー。


私の頬から先輩の手が離れ
無惨にもそれは音を立てて
地面へと落ちる


「最高のフィナーレを迎えられて良かったじゃないか。死に損ないが…あ、もう死んだのか。」



そう言って冷たい目で
先輩を見下ろす少年


私がキッと睨んでも
全く微動だにしない。


許さない…
簡単に人の命を
奪うなんて…



絶対、許さない!!
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