BLOOD VAMPIRE
人を殺しておきながら
よくもヘラヘラと笑えたものだ。
「申し遅れてごっめんなっさーい!アタシはミリシアNo.11のモナ!」
「ボクはミリシアNo.11のナギ。双子のボクらは一心同体。二人合わせて…」
「「ミリシア☆ジェミニーズ!!」」
独特の自己紹介に
怒りを通り越して
乾いた笑いが漏れる。
ミリシア…
あの日、定例会議で
マリンというオンナが
言っていたーーーーーー。
”そのために犠牲は必要よね?そう…例えば人間とか……”
人間を利用して殺す…
どこまで残酷なの?
「てなわけで、お前を連行しまぁーす!!」
武器を構えて
盛大に飛びかかってくる
あんな巨大な双剣で
刺されたら一溜まりもない。
私はギリギリでそれをよけるが
隙をつく暇も与えずに少女が
弓を放つーーーーーーー
「いっ…!」
弓は私の腕を掠めた。
「あーら、外れちゃったぁ。………次は外さないよーん!!」
今度は猛スピードで近づき
弓を思い切り振り上げる。
そうだったーーーーー
レイがいないと私
力が使えないんだったーーー。